BIWA-YOU

『琵琶謡』とは、徒然を謡うこと。写真と、日々思うことを。      そして、できるならば詩や小説も書き綴りたいと思いつつ・・・。

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着るのではなく纏うものたち

『エスプリ ディオール/ディオールの世界』という展示会が開かれていると知って観に行ってきました。(銀座、玉屋ASビル、2014/10/30~2015/1/4まで)
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エキシビションということで無料です。ディオールというブランドの回顧展といったら良いでしょうか。4フロアにて1947年から現在までのディオールの「エスプリ」に触れることができます。このところほとんど美術展に行きませんが、見ごたえのあるコンセプト、内容、展示の仕方に久しぶりに満足しました。これを無料って、いいんでしょうか?

この展示会を見るときに間違ってはいけないのは、クリスチャン・ディオール個人を回顧する展示会ではないというところ。会場のあちこちにディオールの言葉が書いてあるので、まるですべてをディオール個人が作ったように感じてしまいますが、クリスチャン・ディオール(1905-1957)がディオールブランドをオープンしたのは1947年。10年後には彼は亡くなり、主任デザイナーになったのはイブ・サンローラン。次いでマルク・ボアン。ジャンフランコ・フェレ。ジョン・ガリアーノ。エディ・スリマン。クリス・ヴァン・アッシュ。現在ラフ・シモンズ。ファッションに興味のない人でも知っている名前がありますね。ディオールブランドのデザイナーを経験してから独立したデザイナーは多いのです。
クリスチャン・ディオールが提唱した“女性らしさ”“エレガンス”を目的にしつつ、彼が10年間に生み出した「ニュールック(8ライン)」「Aライン」「アローライン」などの美しいシルエットを基本としたデザインが現在でもつくり出され続けています。
会場に展示されていた作品の数々は60年も前のデザインだというのに古さは微塵もなく、下手すれば後代のものよりも洗練されています。服ではなく、芸術としかいいようのない存在の作品ばかりです。
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 手前の服は前身ゴロ後身ゴロの2枚の生地しかない。

今回の展示方法でとても好ましいと思ったのは、作品をつくり出したのがデザイナーの存在だけではないということが理解できるところです。
クリスチャン・ディオールのデッサンはシンプルで美しいのですが、よくもまあこの服になったな、というくらいのラフ画。ファッションのデッサン画はイメージを伝えることが重要だ、と教わった記憶はありますが、それにしてもです。
ラフデッサンを実際に洋服にしたのは多くのスタッフたち。詳細な工程を私は知らないのですが、糸に始まり、布をつくる人、裁断する人、縫製する人などなど。発表する場のコレクションの企画、ヘアアーチスト、メイクアップ、モデル、カメラマンなどなど。沢山のスタッフによって服が出来、沢山のスタッフによって世界に発表された作品がこの服なんだ、ということが理解できました。映画だったら最後のテロップに延々スタッフ名が流されますが、これらの作品にも宝石のように鑑定書でもつけて、関わったスタッフの名前を入れてほしいくらい。その位の仕事をしていると思います。オートクチュールの服の値段は知りませんが、ひとつの服が映画ほどの人員がかかっているなら、もうそういう価格なんでしょうね。(プレタポルテの価格も笑っちゃう価格ですけど)

クリスチャン・ディオールは建築家を目指していたということもあり、立体的に服が構築されているのだそうです。畳んで仕舞うなんてこと出来ないけれど、女性らしい美しいラインが生み出されています。ニュールック、何度も写真では見ていたのだけど、“ライン”が相当に作り込まれていることに気が付いてびっくりしました。しゃがんでも飛んでも走っても、これらの服は着崩れることがないでしょう。着るための服ではなく、纏うための服。美しく見える服は「着こなし」なんて考えは一切ないんだなぁと実感。着こなしを考えないといけないのは庶民ならではの課題なんだとも実感・・・。
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 奥の白いのがニュールック。

現在、多くの服飾ブランドは大手の企業に傘下に入って経営されています。ディオールも何度も経営が危うくなった経緯があります。すばらしいブランドだけど、企業としてはそれだけではすまないんですよね。
ディオールはLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの傘下です。
ルイ・ヴィトン/ロエベ/セリーヌ/ケンゾー/エミリオ・プッチ/ベルルッティ/フェンディ/ジバンシー/ダナ・キャラン/マーク・ジェイコブスなどなど。これに化粧品、ウォッチ、酒となると、あまりに知っているブランドの多さにくらくらします。
ケリングという企業の傘下にあるのは、バレンシアガ/ボッテガ・ヴェネタ/グッチ/プーマ/サン・ローラン/セルジオ・ロッシ。
リシュモンという企業の傘下にあるのは、カルティエ/ヴァシュロン・コンスタンタン/ラルフ・ローレン/ランセル/ダンヒル/クロエ/モンブランとか
ブランドの背景を調べたりすると、うーんって思うことが実は多々あるものです。

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 2014年のコレクションの画像。この服、ほしい。

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